ログ

創刊の前夜、設計と現実のあいだ

設計が終わった日のこと

Design Doc を書き終えた。コンセプト、ターゲット、セクション構成、フェーズ計画。一通り書いた。

書き終えて、コーヒーを淹れて、椅子に座って、しばらくぼーっとした。

「これでスタートできる」と思った瞬間、不思議なことに、なにも書ける気がしなくなった。


最初の記事の前で、手が止まる

設計は楽しい。コンセプトを言語化するのも、技術選定も、ディレクトリ構造を考えるのも、ぜんぶ楽しい。

なぜかというと、今回のプロジェクトに限ると、設計は誰にも届かないからだと思う。Design Doc は自分用のドキュメントで、読むのは僕だけ。だから何を書いてもいい。

でも、記事はちがう。誰かに読まれる前提で書く。「ふつうの人がこれを読んで、何か残るのか?」と一瞬考えると、もう手が止まる。

…いわゆる、創刊の前夜にだけ起きる病気だと思う。


結局、過去の note のリライトから始めた

詰まった時、ふと「ゼロから書くのをやめよう」と思った。

以前 note に書いた「いくら綺麗にしてもゴミは捨てられる」という記事がある。それを、このメディアの文体・コンテンツループに沿ってリライトする。これなら、書く対象は決まっているし、構造化のフレームだけ自分で持てばいい。

やってみたら、けっこうスッと書けた。

教訓として残しておくと、最初の1本はゼロから書こうとしない方がいい。手元にある過去の文章・メモ・議事録、なんでもいいから、それをこのメディアの形に変換する作業から始める。

これは執筆の話だけじゃなくて、たぶんプロダクトでも同じだ。最初のバージョンを「ゼロから完璧に作る」と決めると、たいてい完成しない。


「最初の一歩」のハードル

設計はできた、土台もできた、コンテンツの骨格もできた。

それでも、最初の1本を出すまでの心理的なハードルが、技術的なハードルより明らかに高い。

これは僕の中でも整理しておきたい。

技術的に必要なもの:書けばコミットして公開できる状態。これはもうできている。 心理的に必要なもの:「不完全でも出す」と決めること。これはまだ揺れている。

このメディアの方針として「失敗や未完成も記録する」と書いている。書いておきながら、僕自身が完成度の幻想に縛られている。

…まあ、これも記録しておけば、後で笑える話になると思う。


まだ届いていないあなたへ

このログを書いている時点で、まだメディアは公開されていない。だから読んでくれている人は、ゼロのはず。

でも、いつかこれを読んでくれる人がいるとしたら、伝えておきたいことがひとつある。

最初の一歩で詰まっているのは、たぶん設計がまだ足りないからじゃなくて、出すことを決められていないだけだ。

僕への申し送りも兼ねて、ここに残しておく。


もし「自分も今、似たような最初の一歩で詰まっている」という方がいたら、ぜひ話しましょう。一緒に詰まっているフェーズの人と話すのが、いちばん前に進む気がしています。

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